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ガラス職人は右が好き「アズール:シントラのステンドグラス」

スタッフのすぎもとです、こんにちは。

今日は「アズール:シントラのステンドグラス」をご紹介しましょう。

「アズール」は綺麗なタイルを配置するタイル職人がテーマでした。タイルを獲得し、それを1~5のマスに配置してモザイクタイルを作っていくゲームで、タイルの獲得時の取り方に工夫があってとても悩ましいゲームでした。

「アズール:シントラのステンドグラス」は、その「アズール」の続編で、プレイヤーはステンドグラス職人になり、ステンドグラスを作成していくのです。「アズール」でもタイルの質感がとても良く、タイルを作成していく感覚が楽しいゲームでしたが、本作はこんなガラス片を使います(ガラス片という名前ですがプラスチックです。さすがに本物のガラスじゃないよ)

「アズール」のタイル取得メカニズムがこの「シントラのステンドグラス」にもそのまま継承されています。これがユニークで面白い部分なので、ご紹介しましょう。

丸い皿が工房をあらわしており、ひとつの工房から同じ色のガラス片だけをすべてとることができます。ここで、とらなかった色は工房の皿から外れて下にたまっていきます。

工房からとる代わりにこの下にたまったところから、同じ色のガラス片をとることもできます。ただし、はじめて下からとるひとはペナルティをうけます(ただし、スタートプレーヤーになります)

みんなが工房からとっていくと、この下にガラス片がどんどんたまっていき、これが苦しみを生んでいくのはアズールと同じです。同じ色が8個とかたまるときもあって、そうなったらもう大変。こんな綺麗な色なのに押し付け合いです。「えええええ、ぼくがとることになるのかあああああ」

なぜ8個たまると押し付け合いになるかというと、「アズール」では1~5マスのタイル配置場所に入りきらなかった分がペナルティになっていたからです。「アズールのステンドグラス」も同じような仕組みで、配置する場所のキャパシティは最大でも5。8個もとったら確実に3個はペナルティになります。

さて、このガラス片を配置するところですが、「アズール」が全プレイヤーで同じ配置スペースになっていて、好きな色を置いていくことができましたが、本作では配置先がステンドグラスになっていて、配置できる色が窓によってあらかじめ決まっています。こんなかんじの配置ボードを各人が持ちます。

ステンドグラスは表裏がありまして、ゲーム開始時にランダムできめます。この窓をガラスで埋めていくのです。

「アズール」と同じで、とったガラス片が窓の配置スペースより少なければ埋められるだけ埋めます。とったガラス片が配置スペースより多ければ余った分は全部、割れたガラスとなってペナルティになります。割れるだけどんどん得点がエスカレートしていきます。18点でカンストとかと思いきや、18点まで来ると直ちに18点失った上にまた次の周が始まります。ガラス無間地獄か

割れたガラスはこのガラスタワーに入ります。別にゲームルール上は別にこの形じゃなくてもいいんですが、ここにいれておくと、工房に配置するための袋に戻しやすいので、これはなかなかいい発明ですね。割れたガラス片がたくさんはいってることになってます。

窓が全部ガラス片で埋まると得点になり、窓ボードが裏返ります。またその面をカラス片で全部埋めるとなんと窓のボードが取り除かれちゃいます。え、ガラス窓なくなっちゃうの。ステンドグラス職人が必死で作った窓、どこにいっちゃうの、どういうことなの。しかたないんです、そういうルールになってます。繰り返しますね。完成したらガラス窓、取り除かれちゃいます。

アズールと大きく違うところとして、ガラス職人コマのルールがあります。窓の上におじさんがひとりいますね? この人が窓ガラス職人です(勝手におじさんにしてしまうのよくないですね。女性にしておきましょう窓ガラスガールです)

この職人コマがある場所の右にしかガラス片を配置できません。しかも、ガラスを配置した場所にガラス職人は移動してしまうので、この右に右に寄りがちな職人を戻すためには手番に「工房からガラス片をとる」アクションの代わりに「いちばん左端まで引き戻す」というアクションを行う必要があります。油断してるとすーぐ、右に行っちゃいますから。この人。

ガラス片を配置できるのは右に曲ガールじゃなかったガラス職人コマの右側の列のみというのが地味にきつく、配置したいのにワンアクション奪われて、次に手番が来るときにはもうガラス片がない、みたいなことがよく起きます。この非常に苦しく、窓ガラスを全部割りたくなります。過激。


今回は窓の色が各自ランダム配置なので思惑が異なって平和になりそうかと思いきや、ラウンドボーナスがあるので全員同じ色をとろうとしてきます。ここでまず熾烈な取り合いになります。ここでガラス片取得のルールも絡んで、だいぶ悩ましい戦いになります。

次のラウンドでボーナス入りの窓を完成させられるようにちょっと少なめにガラス片をとって、リーチの状態を作っておくのも必要ですし、得点化することで裏側になる窓の裏側まで見越して仕込んでおくのも必要です。かといって、工房にどの色のガラスが並ぶかは運ですから、せっかく仕込んだものが全く完成できなくなるリスクもあります。

職人はすぐに右に行っちゃいます。戻さなければ配置できない窓があるというもどかしさもありますし、ときにはそれを逆手にとって手番を回すことも考えなければなりません。得点も先に完成したものが追加得点になるのでいかにコンボで高得点化するかも考える必要があります。そうやって考えることがたくさんあるわりに、思うようにガラス片はとれないわけで、けっこうエグいゲームになっております。

無印の「アズール」とは似て非なる苦しさがあり、ぼくはこれはこれで楽しいとおもいました。最近やったときの参加者の一人は無印よりこちらの方が好き、もう一人は無印が好き、という感想でした。すぎもと個人としては、さっき上でもツッコミましたが、ステンドグラスを完成させていくゲームなのに完成すると取り除かれちゃうところにウケました(そこ?)。

ご興味があれば、「アズール」「アズール:シントラのステンドグラス」の両方(さらに続編アズール:サマーパビリオン」も!)らうんどとりっぷで遊んでいただけますので是非あそびにきてくださいね。